N9961MA / 現実世界〔恋愛〕

感情が色に見える私と、透明な君。

作者:楠木 悠衣
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あらすじ

雪村凛花は、生まれつき「色視(しきし)」という特異体質を持っている。 人の感情が「色」として視える。怒りは赤、喜びは金、悲しみは青、嫉妬は緑。言葉がどれだけ取り繕っていても、その人の本心が色彩となって凛花の目に映る。 この能力は、凛花にとって呪いだった。 幼い頃、「大好きだよ」と笑う友達の周囲に嫉妬の緑が渦巻いているのを見てしまった。「大丈夫」と言う母の背後で、疲労の灰色が崩れ落ちるのを見てしまった。人の本音が見えすぎる世界は、あまりにも残酷だ。 だから凛花は、誓った。「もう誰とも深く関わらない」。 高校2年の2学期。教室の窓際の席で、今日も静かに空を眺めていた凛花の日常が、一人の転校生によって壊される。 朝霧 蓮。容姿端麗、物腰柔らか、誰にでも優しい完璧な少年。たちまちクラスの人気者になった彼に、凛花だけが気づいていた。 朝霧蓮には──「色」がない。 感情の色が、まったく見えない。喜んでいるように見えても、怒っているように見えても、彼の周囲だけが透明だった。まるでそこに「人間」がいないかのように。 「──何者なの、あなた」 その疑問が、凛花の「関わらない」という誓いに、最初のひび割れを入れる。 蓮の秘密を追う凛花は、やがて学校で起きる不可解な事件──生徒たちの感情が突然消失する「色落ち」現象──に巻き込まれていく。色を失った生徒は、まるで感情が凍りついたように無気力になり、やがて学校に来なくなる。 そしてその事件の中心には、いつも蓮がいた。 蓮は「色落ち」の原因なのか。それとも──。 「見えすぎる少女」と「見えない少年」。 二人の出会いが、色鮮やかな青春と、世界の秘密を解き明かす物語を動かし始める。

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話数
1
文字数
6,387
初回投稿日
2026-04-12
最終更新
2026-04-12
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