1話あたり文字数の分布から見る「なろう作品」の実態

― 86,279作品を対象とした基礎統計レポート ―

8分
2026-01-24
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本レポートでは、「小説家になろう」に掲載されている連載作品について、 1作品あたりの平均文字数を指標とし、 その分布や傾向を整理しています。

本稿では、作品の良し悪しや執筆スタイルの評価は行わず、取得できるデータから確認できる事実のみをまとめています。

集計方法と対象について

今回の集計では、以下の条件でデータを整理しました。

  • 指標: 1作品あたりの平均文字数(length / general_all_no
  • 対象作品数:86,279作品
  • 連載作品のうち、話数および文字数が取得できたものを対象としています。

1話あたりの文字数の目安

ここでは、「1話あたり平均でどれくらいの文字数が書かれているか」を、 いくつかの代表的な数字で整理しています。

見方 数値
平均値 3,127.90字/話
中央値 2,216.14字/話
下から25%の境目 1,075.54字/話
下から75%の境目 3,693.45字/話
50%の作品が収まっている範囲 約2,600字
かなり長い側の境目
上位1%に入る非常に文字数の多い水準
18,753.5字/話

平均の文字数は約3,100字ですが、中央値は約2,200字となっており、 一部の文字数が多い作品が平均を押し上げていることが分かります。

多くの作品は、1話あたりおよそ1,000〜3,700字の範囲に収まっています。

以下の図は、これらの数字を使って、 「どのあたりに作品が集中しているか」を視覚的に表したものです。

分布の特徴について

中央値は2,216字/話となっており、今回の集計においては、このあたりが一般的な1話の文字量に近い値といえます。

一方で、平均値は中央値より約912字(約41%)多くなっています。これは、一部の文字数が多い作品が全体の平均を押し上げているためです。

また、上位1%の境界が18,753字/話となっており、文字数の多い作品が一定数存在していることも分かります。

文字数帯ごとの割合

1話あたりの平均文字数を帯ごとに分けた結果は以下の通りです。

文字数帯(字/話) 作品数 割合
200–999文字 19,811 22.96%
1,000–1,999文字 19,137 22.18%
2,000–2,999文字 17,382 20.15%
3,000–3,999文字 11,049 12.81%
4,000–4,999文字 6,024 6.98%
5,000–6,999文字 5,869 6.80%
7,000–9,999文字 3,503 4.06%
10,000文字以上 3,504 4.06%

1,000〜3,000字の範囲に、多くの作品が分布していることが分かります。

累積割合から見た位置づけ

累積割合で整理すると、次のようになります。

条件 累積割合
2,000字未満 45.14%
3,000字未満 65.29%
4,000字未満 78.09%
7,000字未満 91.88%
10,000字未満 95.94%

この結果から、1話平均が4,000字を超える作品は全体の約22%、 1話平均が10,000字を超える作品は全体の約4%という位置づけになります。

本レポートで確認できるポイント

  • 1話あたり平均文字数の分布は、右側に長い形状をしています。
  • 中央値は約2,200字で、平均値は長文作品の影響を受けています。
  • 4,000字以上は少数派で、10,000字以上はごく一部です。

1話あたり平均文字数の分布

棒:作品数(%)/ 線:累積割合(%)

本レポートでは、これらの数値が作品評価や読者行動に与える影響については扱っていません。 あくまで、現在のなろう作品全体における文字数構成を、データとして整理・共有することを目的としています。