あらすじ
人手不足の時代、主婦の木村は面接に落ちた。
「この人手不足の中で!?」と呆れながらも、
家族のために、自分のために、
もう一度“社会のどこか”に繋がりたかった。
そんなある日、駅前で一枚のチラシを手にする。
──“貴方の居場所 コワーキング芝生の図書室ラボ”──
元はお蕎麦屋だった古びた建物。
畳の上で、誰かがパソコンを打ち、
誰かが針を進め、誰かがコーヒーを淹れている。
そこは、働く人も、迷っている人も、
ただの「通りすがり」も受け入れる、不思議な居場所だった。
気さくな元企画職の小林、
町工場出身で何でも相談されるオーナーの中村、
そして訪れる人たち。
スマホの操作相談から、庭の手入れ、人生相談まで——
ここは、“あったらいいなが、ある”場所。
最初はただ座っていただけの木村も、
ある日の会議をきっかけに小さな声を出す。
「私……経理、できます。」
その一言から、彼女とみんなの“小さなプロジェクト”が動き出した。
笑い声と湯気の立つお茶の香りの中で、
木村は少しずつ、自分の居場所を見つけていく。