あらすじ
過労死した市役所窓口職員・田中誠(35)は、天界転生管理省の書類ミスで魔王に転生させられた。
原因は「農村」を「魔村」と書き間違えた転記ミス。
しかも空きポストが魔王しかなかったので、そのまま魔王に配属。
付与されたスキルは「そば打ち名人」「エレベーターのボタンを押すタイミングが完璧」など使い道のないものばかり。
使用回数は全部ゼロ。
身長2m超、角つき、赤目、黒鎧——見た目は最恐。中身は、すみませんが口癖の気弱な窓口職員。
苦情申請書を12通出した。返事はゼロ。
電話をかけたら自動音声。唯一繋がった先は整理番号の破棄窓口。
お詫びの品として届いたのは、そば打ちセット。
4年後、勇者が乗り込んできた。
「すみません、今日はもう受付終了してまして」
勇者・佐藤颯は剣を降ろした。
降ろした理由は「勝てない」からではなく、「もっと根本的な何かが間違っている気がした」から。
魔王と勇者が、天界に直接クレームを入れに行く——はずが、天界もまた、お役所だった。