あらすじ
日本海沿いの町にある小さなお菓子屋の事務所で働く語り手は、社長の妹ミヨコの仕事の抜けを普段からさりげなくフォローしてきた。しかしミヨコはミスを指摘されると被害者のように泣き、語り手が責められることも多かったため、次第にフォローすることに疲れていた。
あるとき、社長の妻マキがミヨコに仕事のメモを渡して説明する場面があったが、語り手はいつものように横で聞かず、そのままにした。ミヨコはメモを机の引き出しに入れて忘れてしまうだろう。
語り手は大きな問題が起きるだろうと確信していた。
語り手は足をくじいて一週間休む。するとその間に、北関東のデパートの催事に送るはずの商品が発送されていないことが発覚する。
電話で連絡を受けたのに、後回しにして忘れてしまったため、店は大きな信用問題を起こしてしまった。
社長の妻マキは急いで謝罪に向かうことになるが、ミヨコは「メモがどこかに行ったから自分のせいではない」と言い、責任を認めない。
語り手は、これまで自分が補ってきた仕事をあえてしなかったことで起きた結果を、静かに見ているのだった。