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彼女がいなくなった部屋に、冷蔵庫だけがいつも通り音を立てていた。 僕は毎朝、冷蔵庫を開けては「今日の温度」と「今日の気配」を書き留めていく。 まるで、そこに彼女がまだ暮らしているかのように。 だけど、記録を続けるほど“温度”は下がり、“気配”は薄れていく。 そしてある日、冷蔵庫の奥に残されたひとつの物が、 僕に“本当の最終日”を思い出させてしまう──。 静かに、ゆっくり失われていく愛の痕跡を追う、記録体ショートショート。