あらすじ
伯爵令嬢エルヴィナは、王太子アレクシスから「心が動いた」「真実の愛を知った」という言葉だけで婚約を解消される。新たな婚約者は、可憐で甘え上手な公爵令嬢マレッタ。だが夜会の席次に泣いて文句を言い、贈答に口を出し、場の流れを止めるたびに、アレクシスは「彼女が大切だ」と周囲を切り捨てていく。
やがて人々は声を荒らげることすらせず、ただ静かに距離を取った。招待状は減り、祝宴の空気は凍り、ついには正式に招かれた主賓を公の場で叱責してしまう――その瞬間、王太子への信頼は決定的に崩れる。
一方、エルヴィナは“役割”として戻ることを拒み、誠実で距離感を守る公爵家嫡男セドリックとの縁を自分で選び直す。
「真実の愛」を選んだ結果ですので、後悔されても困ります。
失った席にすがる者と、静かに歩き出す者。選択が生んだ結末は、もう覆らない。