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加護至上主義の王国で、英雄パーティに所属していた俺。 役割は雑用と後方支援。 測定水晶に触れたその日、数値は出なかった。 「測定不能」 教会はそれを「無能」と断定する。 仲間は迷わず俺を切り捨てた。 反論はしない。 力も見せない。 追放された先は、捨てられた者たちの辺境。 だが、英雄たちが失った“何か”は、 確実に世界を狂わせ始める。 ――俺は、まだ何もしていない。
この世界では、生まれ持った技能の等級がすべてを決める。 再鑑定はなく、発動しない技能は「無能」として扱われる。 冒険者パーティに所属していた俺は、 技能鑑定でE級と判定されたことで、 ダンジョンの奥深くであっさり追放された。 ――無能だから。 ――役に立たないから。 だが一つだけ、周囲が知らないことがある。 俺はまだ、自分の技能を一度も使っていない。 これは、 「無能」と切り捨てられた男が、 本気を出す前にすべてを失い、 それでも淡々と歩き続ける物語。