あらすじ
アイドルを辞めた、その日。佐藤香穂子は、美容院に飛び込んだ。そこで、アイドルとして必要不可欠であった長い黒髪とぱっつん前髪を切っていく。新しい人生を始めるために。しかし、心は未だに引きずっていた。
「アイドルとして生きた時間。それは私にとって、何だったのだろう」
そんな中、その美容院の人気美容師である桐山悠介に出会う。明るくて素敵な笑顔、話し上手で、見た目も格好良い。個性的なファッションを着こなすお洒落な人。
彼とカフェでお茶をすることになった香穂子は、今までのツラかった想いを初めて打ち明ける。涙ながらに語ると、彼は突然いつもとは違う態度に変わった。
実は、彼もまた幼い頃、心に深い傷を負っていたのだった。長い間、眠れない夜を過ごし、ずっと偽りの自分を演じてきた。
そんな二人は、やがて歩み寄り、支え合うようになっていく。決して似ていない、しかしお互い本当の自分を見失ってきた者同士。
香穂子は、アイドルとして暗黙の了解であった恋愛禁止を守ってきた。けれど、もう今は自由に恋をしていい。彼に対する気持ちが、果たして恋なのか……。