あらすじ
※青春ラブコメディを書いたつもりです。違ってたらすみません。でも一応ちゃんとタイトルに「したいわけじゃない‼」って入れてるから、一応詐欺ではないということをここに――(以下略)
『なるべき姿があった。
知りたい形があった。
鋳型に泥を詰めたような偽物なんかじゃなくて。
砕いても溶かしても、けして変わらぬ本物を。
たった一つの真実を。
それが、どれほど罪深いことかも知らずに。
……誇りを砕き、尊厳を貶め、痛みを、憎しみを、苦しみを、積み上げて積み上げて、形とした悪の帝王。
それが――……』
いろんな意味で規格外な主人公、九十九万才は色あせた高校生活を送っていた。
色あせたというか真っ黒というか、お先真っ暗というか。
担任の甘地先生に呼び出された翌日、性懲りもなく遅刻してき万才は、上司の命令で目的のよく分からない部、『育才部』に入部させられる。
これは過去に『自己の明確な定義』という曖昧なものを真剣に求め続けた結果、やがてその罪深さに気づき、諦め、放棄した。
そんな現在、底辺思考のヘタレ・クズ万才を自称する彼が、その少し変わった高校生活を通して、特殊な自分の存在を問い続けていく物語です。
それぞれがそれぞれの事情を抱える周囲の人々との関わりは次第に彼に変化を与え、最後にはきっと『本当の自分』の形を見つけられるはずです。見つからないかもしれません。
コミュ障ばかりで、どいつもこいつもとにかく不器用な奴ばかりです。でもやっぱり主人公が一番不器用です。
***
視点が変われば人格が変わり、時が経てば風化する。
それを良いことに、世界は簡単にその形を都合よく書き換える。
不誠実で気持ち悪くて、だけどそれなのに、自分自身だって明確に理解しているとは言い難いから、自分自身でさえ否定できない。
そんな不安定で曖昧なこの社会において、キャラ付けでも虚構でもなく、明確に、絶対に、けして変わらない自分という形。
本物の自分という形は、本当にあるのだろうか?
そんな生活していて思いついた誰もが抱くかもしれないちょっとした疑問に対する答えが欲しくて描きました。
ちょっとその存在が特殊な主人公が不器用に、遠回りしながらも少しずつその形を見つけていく姿を通して、そのヒントがつかめればいいなと思っています。