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大正八年、谷中の小さな町工場を支える十八歳の娘・佐藤はるは、父の跡を継ぐように油と機械に囲まれた日々を送っていた。 ある日、伯爵家の若き跡取り・藤原悠馬が、国産自動車の試作部品を注文しに工場を訪れる。 華族と平民、雲と泥ほどの身分の差がありながら、二人は図面を前に夜遅くまで語り合い、互いの夢に惹かれていく。 「好きだ」と口に出せないまま、でも確かに近づいていく心。 油汚れの指と、梅の花のような清潔な香りが交わる、大正の甘く切ない恋物語が始まる