あらすじ
ふとした瞬間に感じる「既視感(デジャヴ)」。
「あれ? ここ、前に来たことある気がするな……」
そんな不思議な感覚の正体について、考えたことはありませんか?
もしかしたら、タイムスリップという現象は、私たちが思っているよりもずっと身近なところにあるのかも?……なんて思ったり。
例えば、歩道ですれ違った人を避けるために踏み出した、わずかな半歩。
あるいは、何かに導かれるように足を止めた、靴一足分のズレ。
そこには、私たちが普段生きている現実世界とあまりに似通った、けれど決定的に異なる「別の空間」への入り口が隠されているのかもしれません。
あまりに日常と地続きの場所にあるから、入り込んだことにも、そして元の世界へ帰還したことにも、私たちは一生気づかない。
だから、あのデジャヴだって、実は靴一足分のズレで迷い込んだ「別の空間」での出来事だったりして……。
そんな、「自分では気づかない間にもしかしたら違う空間にいるのかも?」という日常のほんの少し隣にある不思議から、このお話が浮かびました。
そして、この世界には『アタリ層』『ハズレ層』『フツー層』という、三層の空間があったら面白いなと思い、組み込んでみました。
それぞれの層がどんな場所なのか……それは、本文の方でお楽しみください♪
100円玉ひとつで世界が輝き出す山田と、効率を追い求めるあまりにハズレへと沈みゆく田山。
彼らが「靴一足分のずれ」で迷い込んだ、見えない世界の断層を巡る、三部作の物語が始まります。