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やあ、君。ファウストは死んだ。 ボクは彼の魂を追って世界を旅する者だ。 ボクは語り部ファウスト。 彼はボクであって、ボクではないーー。 ねえ、アンデルセンの人魚姫は知っているかい? 彼の書いた人魚姫は美しい。 水の中で泳ぐ彼女は、きっと幻想的だろう。 声なき声で愛する王子を見つめる健気な魂。 だけどね、 魔物なんかに魂があると君は思うかい? 葛藤のない生き物には、 囁ける魂なんてない。 ボクは魔物に人の魂を見いだすことができるか。 君に語ろう。
夕刻の江戸の町を浪人者が歩いている。町娘に狒々(ヒヒ)とからかわれるような冴えない中年の浪人は、飲み屋で偶然押し込み強盗の計画を耳にする。浪人は酒を飲みながら「どうしたものか」と思案するが……幕末の江戸を舞台にした本格時代劇。