あらすじ
日本一のテーマパーク「ディズ・リゾート」を成功に導いた伝説のプロデューサー、鼠園(ねずみ・その)。彼の哲学はただ一つ。利益は、ゲストの幸福がもたらす雫だ。
その手腕を買われ、国家の威信をかけた巨大プロジェクト「大阪万ミャク」の現場統括プロデューサーに就任した彼が目の当たりにしたのは、夢を創る現場とは程遠い、利権と汚職にまみれた現実だった。
万ミャクを私物化する大物政治家・吉本ごうぞう。彼の絶対的な権力の前で、鼠園が描く理想の計画は、次々と骨抜きにされていく。危険な手抜き工事、実績のない業者への不当な発注、そして現場を崩壊させる、禁じ手「年間パスポート」の強行。
やがて鼠園は、吉本が描いた恐るべき計画の真相に気づく。それは、万ミャクを意図的に大失敗させ、その責任のすべてを「理想論ばかりの無能なエリート」である自分一人に着せることで、跡地に眠る次なる巨大な利権を手に入れようとする、壮大なシナリオだった。
開幕と同時に、万ミャクは地獄絵図と化す。狙い通りにメディアと世論から「国民の敵」として吊し上げられ、すべてを失った鼠園。だが、絶望の淵で、彼はたった一人、巨悪に立ち向かうことを決意する。内部告発を決意した若手職員、そして、かつて夢の国で共に戦った最強の仲間たち―天才ハッカー、氷の経理専門家、メディア戦略のプロと共に、反撃の狼煙を上げる。