あらすじ
魔界の片隅でひっそりと営業する仕立て屋『フィル・ルージュ』。店主のリリエは、人間界へ行きたい魔物のために、魔法の布で「理想の人間スーツ」を仕立てる『魔界のクチュリエール(裁縫師)』だ。
ある日、店に魔界最恐と恐れられる「深淵のアビス公爵」がやってくる。不定形の漆黒の影である彼は、震える声で意外な依頼を口にした。
「私に、至高の『人間の男』の皮を仕立ててほしい。……意中の人間に、求婚するために」
恐怖の公爵が恋!? 職人魂に火がついたリリエは、「どんな女性もイチコロのイケメン」を作ることを請け負う。しかし、公爵の言う「意中の相手」が自分だとは露知らず……。
採寸のために影の体に触れれば、公爵は恥ずかしさで真っピンクに変色したり、リリエの好みを執拗にリサーチしてきたりと、中身は驚くほど初心でピュアだった。
やがて完成した「絶世の美男子スーツ」を纏い、公爵はリリエに求愛する。けれどリリエの心は、完璧なイケメンの外見よりも、採寸中に震えていた不器用な「影」の方に惹かれていて――?
最恐の魔物×鈍感な仕立て屋。
魔法の糸が紡ぐ、オーダーメイドなときめきと勘違いの異種族溺愛ファンタジー!