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仕事の引き継ぎで、同僚に電話をかけた――はずだった。 しかし翌日、その同僚は「電話なんてしていない」と言う。 通話履歴も消えている。 それなのに、仕事だけは確かに進んでいた。 そしてその夜、同僚から一本の電話がかかってくる。 「昨日、電話くれたよね?」 日常の中で、少しずつ現実がずれていく。 逃げ場のない違和感を描く、日常侵食型ホラー短編。
都会の片隅、夜明け前にだけ現れる「無銘文具店」。そこでは、人生に迷った者だけが店主・九条に導かれ、自らの悩みに対応する“特別な文房具”を手にすることができる。IT企業に勤める佐伯は、致命的な仕事のミスを帳消しにするため、店で渡された紙とペンを使う。翌朝、世界は完璧に修正されていた――ただ一人の後輩・瀬戸を除いて。やがて佐伯は、記憶を消す修正液や他人を操るペンに手を染め、自らの保身と支配欲のために現実を書き換えていく。しかし救済のたびに周囲の人間は“空洞”となり、世界は静かに歪んでいく。救いとは何か、意志とは何か。書き直せないはずの人生に抗う人々を描く、現代幻想の心理スリラー。