あらすじ
★王道を征く主人公を後目に、悪役側の主従があれこれとする話★
▲リナニア王国に一人の少年がいました。その少年は平民ながらも、実のところ、大昔に没落した貴族家の末裔なんだとか。彼は両親や祖父母から没落した貴族家の恨み言を聞かされて育ちます。没落の直接の原因であり、怨敵と呼べるマーヴェイン伯爵家に対して、一族の者がいつか復讐を遂げるのだと。お前もそのために生きるのだと。ことあるごとに言い付けられたものです。いつしかそれは彼の生きる目的となりました。あるいは呪いだったか。
▲幸か不幸か少年には素質があり、ブランデール子爵家に従士として迎えられたのですが……なんとそのブランデールのお嬢様は、ルインダールの仇たるマーヴェイン伯爵家の嫡男と婚約関係にあるのだとか。流れに身を任せながら、少年は静かに牙を研ぎながら時を待ち……ついに彼は、マーヴェイン伯爵家の嫡男に公の場で一矢報いたのです。ですが、それははじまりに過ぎませんでした。
▲僅かながらも一族の恨みを晴らした少年は、主であるブランデールのお嬢様と共に激動の時代に飲まれていくことに……果たして少年の未来はいかに!
▲――この物語は、そんな少年の立身出世の王道的な活躍を後目に、激動の時代を生き延び、英雄譚の後に訪れる〝平和な国〟を望む、ある主従(序盤の悪役)のお話。