あらすじ
中学時代のトラウマから自己表現を諦め、教室の最後列で「安全な観客」を決め込む高校生・佐藤悠真(さとう ゆうま)。彼のモノクロの日常は、転校生・星野葵(ほしの あおい)の登場で一変する。誰もが目を奪われる完璧な女装。その正体は、10万人のフォロワーを抱える「男の娘インフルエンサー・Aoistar」だった。
ある放課後、悠真は葵が完璧な虚像の裏で「ただの疲弊した男子」に戻る瞬間を目撃する。悠真が思わず呟いた冷徹な動画分析を、葵は直感で採用。結果は過去最高の大バズり。これを機に二人は「プロデューサーと演者」という打算の契約を結び、奇妙な共犯関係をスタートさせる。
文化祭の準備や秘密の撮影を通し、虚像を脱いだ「等身大の葵」と過ごす時間は、悠真の世界を極彩色に染め上げていく。だが、アルゴリズムの壁とアンチの増殖が、葵を容赦なく追い詰める。
「忘れられるのが怖い」と炎上路線へ暴走し、虚像にしがみつく葵。
親友として止めたい本音を「プロデューサー」という鎧で隠す悠真。
互いを守るための嘘がすれ違い、二人は最悪の決裂を迎えてしまう。
そして迎えた文化祭当日。心身の限界を超え、ステージで「完璧な笑顔」のまま涙をこぼし崩れ落ちる葵。PA席から事態を傍観していた悠真は、自分が本当に欲しかったのはバズる数字でも成功でもなく、「星野葵という親友」だったと気づく。
傍観者の論理を捨て、最も恐れていた「大勢の視線が集まる舞台」へ。
「こいつは、俺の最高のダチだ」
役割という名の「鎧」を脱ぎ捨てた不器用な二人が、真の絆を再構築する。最高にカラフルな青春共依存ダイアリー。