あらすじ
―記録は残る。記憶だけが、少しずつ消えていく。―
警視庁で働く三人――
無口な刑事・真壁、冷静な監察医・九条、軽やかな広報・二階堂。
ある日、九条は小さな異変に気づく。
「記録したはずの内容が思い出せない」
「声が、ほんの少し遅れて届く」
医学的には説明できない、微細なズレ。
だが周囲はまだ、誰も気づかない。
真壁は違和感を覚えながらも、順番を崩せない。
二階堂は場を整える言葉を選び続ける。
三人はいつも通りの距離で、いつも通りの会話を交わす。
――それでも少しずつ、呼吸がずれていく。
これは、まだ誰も壊れていない夜の物語。
そして、三人が“共犯関係”へ近づいていく前夜の記録。