あらすじ
「最後に届けるものを、一番奥に積め」――その鉄則が、世界を救う鍵だった。
都内の物流拠点で軽貨物ドライバーとして働く神崎誠司(32歳)は、個建て報酬で日々200個以上の荷物を配り続ける「配完の鬼」と呼ばれる男だった。効率を極限まで追求した「逆順積載」の技術、不在時の再配達ルート最適化、そして絶対に荷物を破損させない丁寧さ。しかし彼の日常は、パワハラ上司・黒田の理不尽な叱責と、終わりの見えない長時間労働に蝕まれていた。
ある雨の夜、過労で意識が朦朧とする中、誠司は軽バンごと崖から転落。目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界「ロジスティア大陸」だった。
この世界では、「届け物」こそが魔力の源。届け先に届かなかった想いは「滞留魔」となって大地を蝕み、届いた想いは「配完の祝福」として人々に力を与える。しかし今、魔王軍の妨害により届け物が届かなくなり、世界は滅亡の危機に瀕していた。
女神から「配達勇者」の称号を授かった誠司は、崩壊寸前の王立配送ギルドを立て直すことに。前世で培った積載技術、ルート構築能力、そして「どんな届け物も必ず届ける」という信念を武器に、仲間と共に大陸を駆ける。
だが、敵国の軍師として現れたのは――あの黒田だった。同じく転生した黒田は、「届け物を奪い、人々の絆を断つ」ことで魔王軍を勝利に導こうとしていた。
最後に届けるべきは、世界の命運を握る「始祖の手紙」。誠司は仲間たちの想いを「逆順」に積み込み、すべてを届け切ることができるのか――。
※この物語は小説家になろう、カクヨムで掲載されています。