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引っ越しを機に、主人公は「全部捨てる系」でバズる断捨離インフルエンサー《空無(くうむ)》に整理を依頼する。《空無》が掲げる指針は明快だ——“一か月使わない物は、未来の自分の役に立たない”。家電、書籍、服、写真、手紙、はては記念品まで、合理の刃で次々と手放していく。
恋人関係はクラウドで保存、喧嘩は巻き戻し、言い過ぎた一言はアンドゥ——そんな時代。黒川律と雪村七菜は“完璧な最適化カップル”として評価☆4.9を誇る。だが、満点に近づくほど笑いは減り、予測通りの幸せにあくびが出る。ふたりが選んだのは、保険なしの“未保存プラン”。取り返しのつかない傷が、じつはいちばん愛おしいと知るために。保存・復元社会で、わざと失う勇気を描く皮肉とやさしさのショートショート。