あらすじ
大手広告代理店の敏腕アカウント・エグゼクティブ、黒崎透(38歳)は、過労死寸前の激務の中、クライアントプレゼンの帰り道に交通事故で命を落とす。目覚めた先は、剣と魔法の異世界——しかも魔王復活の危機を迎えた王国だった。
与えられた役職は「王国宣伝局長」。神託で選ばれた勇者パーティーを国民に周知し、支援を集め、魔王討伐への機運を高めよ、という無茶な指令。だが肝心の勇者は「陰キャで口下手な青年」、仲間は「元犯罪者の盗賊」「呪われた過去を持つ魔法使い」「脱走兵の騎士」という、およそ英雄とは程遠いメンバー。しかも国民の勇者認知度はわずか3%、支持率は誤差の範囲内。
「これ、案件としては最悪だな」
透は前世の記憶と広告スキルを武器に、異世界マーケティングに挑む。「伝説の勇者」というブランドを一から構築し、民衆の心を動かすクリエイティブを生み出し、貴族や商人という「ステークホルダー」との調整に奔走する。やがて彼は気づく——魔王が本当に支配しているのは、人々の「恐怖」と「諦め」という心理だと。
剣ではなく言葉で、魔法ではなく戦略で、透は世界を救えるのか。そしてワーカホリックだった彼は、新しい世界で「仕事の意味」と向き合い直すことになる——。
※この物語は「小説家になろう」と「カクヨム」で掲載しています。