あらすじ
「『長靴をはいた猫』がいるなら『シルビアに乗った狐』がいてもいいじゃない。」
新田原市――そこは、獣人と人間が当たり前に共存する現代都市。
ふわふわの金の耳と尻尾を持つ狐族の青年、関口律(リツ)は、街ゆく人が振り返るほどの「可愛い」ルックスの持ち主だ。
だが、その実態は、給料のすべてを愛車に溶かす救いようのない「車カスのクズ」だった。
生活費は常にゼロ。主食は缶コーヒー。定食屋にはツケが溜まり、事故を起こせば同乗者より先に愛車の心配をしてドン引きされる。
彼にとって、ボロボロの事故車から始まった「日産 シルビア S14型」は、単なる乗り物ではなく、対話すら可能な人生そのもの(依存先)。
これは、可愛い見た目で中身は残念な狐の走り屋が、個性豊かな仲間たちに呆れられながら、一歩ずつ「理想の相棒」を作り上げていく、少し狂気じみた日常の記録。