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元老院派の圧力で窮地に立たされたジュリアス・シーザー。 彼の進む道はもはや破滅しか残されていないのか? 決断を迫られる彼の前に現れたひとりの老人との出逢いは、果たして彼の運命にどのようなものをもたらすのか? 『賽は投げられた』の言葉とともに知られるシーザーのルビコン川渡河にまつわる異聞譚。
共和制ローマは、建国700年を数えて内憂外患の状態だった。 拡大した領土は、良心的な高官が何とか領土の維持を守っていたが、一部の高官が高い税をかけ、好き放題をしていたため奴隷の反乱や逃亡が相次いで属州の多くは疲弊していた。 ローマを含むイタリアの諸都市は、難民や職を失った市民が増え、ローマの福祉政策、麦の配給量の増加によって一般のローマ市民の生活を厳しくさせ、国庫は赤字続きだった。 それでも、元老院は共和政体の維持を最優先に考え、目的に突出した個人の活躍を厳しく制限する。 時代は英雄を求めていた。 さっそうと現れたのはグエナス・ポンペイオス・マーニュス。 ローマの外敵を駆逐した英雄だった。 ローマは栄光の時を迎えるかと思われたが、元老院は英雄的行為を貶める活動に出る。 はるか昔に救国の英雄スキピオを抑え込んだのと同じように。 ローマは新しい英雄の時代を迎えるのか、共和制の理想を守るため、元老院が英雄を抑え込むのか。 それともまだ表舞台に出ていない時代を超越する者が出現するのを待っているのかもしれない。