あらすじ
聖女リリィは、奇跡を起こすことができるのに、人徳がないと噂される聖女だった。治癒を終えても「どうも」の一言で立ち去り、目を合わせることもできない。冷たい、と陰口を叩かれる彼女の本当の姿は、ただ人が怖くて、不器用なだけの少女だった。
そんなリリィに、ある日、護衛騎士アルノルトがつくことになる。完璧な立ち居振る舞いに思わず縮こまるリリィだったが、彼は彼女を聖女たらしめようとはせず、ただ静かに傍らに立ち続ける。
その距離は、不思議と心地よかった。
人徳がないと噂される聖女と、その本当の姿を知る護衛騎士。すれ違いと誤解の先で、少しずつ近づいていく、ふたりの物語。