あらすじ
高校入学を迎えた少女は、母を病気で亡くし、生活力ゼロの父と二人で暮らしている。
仕事も家事も続かず、肝心な場面で必ず何かをやらかす父。母が生きていた頃は成り立っていた家庭は、彼女がいなくなったことで、かろうじて形を保っているだけだった。
「私がしっかりしなきゃ」
そう思い込んだ娘は、家事も手続きも感情の整理も、自分一人で抱え込むようになる。一方父は、娘に支えられながらも現実から目を逸らし続けていた。
ある日、父は突然「ダメな自分を直す活動=ダメカツ」を宣言する。しかしその挑戦は空回りばかりで、かえって娘の負担を増やしてしまう。学校行事や日常の小さな事件を通して、娘は父を恥ずかしく思い、時に強く反発する。
それでも、母の不在という同じ痛みを抱えながら、不器用な父娘は少しずつ言葉を交わし、互いの弱さを知っていく。
父は完璧な大人にはなれない。だが「逃げない父」になろうとする。
娘は「母の代わり」になることをやめ、「娘」である自分を取り戻していく。
その姿を通して描かれるのは、喪失の先に続く、不完全な家族の再生の物語。