あらすじ
帝都で最も忌み嫌われる職業――それは、古の呪詛や怨嗟が遺した「穢れ(けがれ)」を回収・浄化する『禁呪清祓師』。没落貴族の娘アウレリア(17)は、一族に掛けられた「死の呪い」を解くため、その忌み職に身を投じる。だが彼女には人に言えぬ秘密があった。穢れを“甘美な菓子”のように味わい、喰らって浄化する――それが異能「悪食(あくじき)」。
ある夜、帝宮で発生した最悪の呪詛事件に召集されたアウレリアは、氷のような美貌を持つ宰相クロード・フォン・リヒト(24)と出会う。完璧な公人の顔の裏に潜むのは、「国を滅ぼす」ほどの古い呪い。唯一の抑止法は、第三者がその呪いの“気配”を喰らうこと――そしてアウレリアの悪食は、皮肉にもその役目に最適だった。
「見つけた。俺の――解毒薬だ」
利害も、秘密も、そして歪んだ食欲までもを交換条件にした偽りの婚姻。二人は互いの毒を喰らい合いながら、帝宮を蝕む巨大な陰謀へと踏み込んでいく。――だが呪いはただの病ではない。欲望と復讐、そして真実が渦巻く場所で、彼らは本当の「癒し」と「壊し」を見つけるのか。