あらすじ
青木卓也、三十二歳。
自動車税の納期限を三日後に控え、コンビニで支払いを済ませようとしたその瞬間、
コンビニにドライブスルー入店しようとした自動車に轢かれ、異世界へ転生してしまう。
しかしなぜか、手には自動車税の納付書を握ったまま。
転生先は、魔王が支配する税制国家フィスカリア。
そこでは剣や魔法よりも税が力を持ち、
生きているだけで課税され、眠っても、待っても、話しても税を取られる
静かな納税地獄が広がっていた。
卓也は勇者でも革命家でもない。
彼がやるのはただ一つ。
異世界の税に対して、
「なぜ払うのか」「いつまで払うのか」「何に使われるのか」
確認することだけ。
現代日本では当たり前だったその問いかけが、
魔王配下の税目官たちが運用してきた税制を、
一つずつ、静かに崩していく。
だが卓也には、もう一つの制限がある。
それは――
現世に残した自分の自動車税の納期限。
果たして彼は、
異世界の納税地獄を正し、
元の世界に戻って無事に自動車税を納めることができるのか。
これは、
剣も魔法も使わず、
「説明責任」で魔王と向き合う、
期限付き異世界転生譚である。