あらすじ
3029年:青き光の異邦者
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地球は終わった。
かつて生命に満ちていた星は、いまや乾ききった灰の荒野。
文明の頂点に立った人類は、欲望と機械に支配され、自らを滅ぼした。
その名残は崩れかけたメガシティの廃墟と、役目を失ったAIの残響のみ。
そんな世界の最後の光として、二人の科学者がいた。
彼らは希望を託した──自らの赤子に。
そして、“世界の外側”へ。
命の限界に抗いながら、彼らは次元の門を開いた。
目の前に広がるのは、未知の地。金属も、工業も、兵器も存在しない。
代わりに息づくのは、魔法、龍、森、そして──生きた希望。
赤子はその腕の中に抱かれ、静かに眠りについた。
***
その子は、エレン・シアの聖なる森にて目を覚ました。
光に満ちた葉の下、エルフたちに拾われ、愛され、育てられた。
名を──ラエル。
だが、ラエルは他の子供とは違っていた。
彼の魔力は自然の流れではなく、異質なもの。
火でも水でも風でもなく、
回路、構造体、エネルギー波として形を成した。
12歳のある日──
彼は自らの魔力で“何か”を創り出す。
それは鎧だった。
だが、ただの防具ではない。
生きた魔法装甲(マギテック・アーマー)。
意識を持ち、彼と一体となり、空を飛び、雷を纏い、敵の能力に適応する“進化する鎧”。
それは、失われた文明の意志が、魔法という形で目覚めた瞬間だった。
***
やがて王国同士の争いが激化し、
空に裂け目が走り、異界の魔獣が出現する。
その中で語られる古代の予言:
「青き光をまとう異邦の者──
世界を救うか、世界を壊すか──その魂が鍵となる。」
今、少年は立ち上がる。
彼の名は──ラエル。
滅びた星の記憶を持つ最後の人間。
そして、この新たな世界に問う。
「この世界は、同じ過ちを繰り返すのか?」
それとも──
「新しい希望に変わるのか?」
ラエルの物語は始まったばかり。
機械と魔法、記憶と未来が交差する世界で、
彼はまだ知らない。
自分が“最後の救世主”か“最初の終焉”かを。