あらすじ
「君がそこにいると、誰が証明できる?」
舞台はあらゆる思想が能力へと昇華される実験都市、アクロポリス。 この街では信じる「正義」が深まるほど、人は強大な力を得る。
雨の路地裏で、己の存在さえ疑い、霧のように消えかけていた少年・ルネ。 彼を拾ったのは、一軒の喫茶店を営む少女・クリスだった。 「あんたはここにいる。私がそう決めたの!」 彼女の温もりに繋ぎ止められたルネは、自らの『疑う心』を武器に変え、都市を揺るがす三陣営の抗争へと巻き込まれていく。それは、失われた自分を探す「存在」の物語。
同じ雨の夜、泥水の中に倒れ、誰にも拾われなかった少年・フリードリヒ。 救いの手は届かず、通り過ぎる高級車が彼に冷たい泥を浴びせただけだった。 「神なんてやつはとうの昔に死んでいたのさ…」 絶望の果てに、彼は全ての価値を破壊する『虚無』の異能に目覚める。レヴィアタンの掃除屋として闇に潜り、腐った偶像を解体していく。それはきっと、「超人」になる男の物語。
光り輝く表の世界で「実在」を噛み締めるルネと、廃墟の底で「虚無」を飲み込むフリードリヒ。 交わるはずのない二人の世界が都市の最深部に眠る聖遺物「リヴァイアサンの心臓」を巡り、見えない糸で結ばれていく――。