あらすじ
「我は執行する…」
学者風の服が赤い光を放ち、やがて体へと光が収束していくと、漆黒と真紅に象られた鎧をまとった姿に変貌する。その手には巨大な鎌が握られていた。
「全てを絡め取る手"ハイディングバインド"」
――見えざる手が相手を宙に磔にし、動きを封じる
「死を司る神の力"パワーオブダークネス"」
――黒い霧が体を包みこみ、異常な力の高まりをみせる
「そして、死がおとずれる…"リープ・リーパー"!」
――両手で持った大鎌が赤い光を放ち、そいつは真っ二つに割れる――
VRMMORPG「ワールズオブワーズファンタジー」
通称「WWF」と呼ばれるゲームにどっぷりとはまっている坂道雄治。彼は最古参のプレイヤーながら全くの無名であった。
スキルレベル制のシステムを採用しているWWFではスキル同士の親和性が高い『特化クラス』型の成長が好まれているが、雄治の作ったキャラはスキル同士の親和性が薄い「魔法戦士」という中途半端な『ネタクラス』だった。
そんな事を気にする事もなく、死の魔剣士を自称して中二病全開で楽しむために、貴重な装備やアイテムを集め、中二病設定に磨きを掛けるように楽しんでいた。
ある日、いつものようにログインした彼は、ゲームの中で五感が働いていることに気づく。
それは、ゲーム世界が現実になるという異変として、すべての接続者を巻き込んでいく。
その中で、彼は「設定」が現実化していく様を目の当たりにしていく──