あらすじ
二〇二六年四月。
宇治森龍、二十七歳、独身、金なし、貧乏。趣味多数、継続力皆無。
六畳一間のアパートで終わりかけた生活を続ける彼は、ある夜、やけくそでSNSにこう投稿する。
「独立国家を作る。国民募集」
冗談のはずだった。
だがその一言に、「帰る場所がない」「夜だけでもいていい国がほしい」と、思った以上に切実な声が集まりはじめる。
配信やネットの“場”に救われてきた男が欲しかったのは、革命でも理想国家でもない。
ただ、誰かがふらっと戻ってこられる場所だった。
なのに人が増えるほど、ルールが生まれ、管理が必要になり、排除と統治の気配が忍び込んでくる。
これは「国を作る話」ではない。
居場所を作ろうとしたら、結果的に国家のようなものが生まれてしまう話。