あらすじ
職場で時間管理が必要になり、大黒春江は中古のデジタル時計を購入した。
安価だったが、数週間後には時刻が狂い始める。
修正し時刻を合わせても、合わせても、次時計を見たときには正確な時刻ではないのだ。
何度も合わせなおした。
ある日ついに我慢できなくなり、新品のアナログ時計を購入。
壊れたデジタル時計は「不燃ごみの日」に処分したはずだった。
しかし数か月後、朝リビングテーブルにその時計が戻っていた。
誰かが拾ってきた?思い違い?
いいえ、春江は確かに手放した。奇妙な出来事に戸惑いながらも、時計にまつわる過去と向き合う。
戻ってきたのは時を告げるためではなく、"心を戻す"ためだった。
それはひとつの時間をめぐる不思議な往還のものがたり。