あらすじ
ラストホールド。
あと一手で優勝という瞬間、壁から落ちた。
届かなかった。残ったものは、腕の痛みと悔しさだけ。
それでも彼は、もう一度壁の前に立つ。
頂点まで、あと一手――。
挫折した少年が再び壁に挑む、青春クライミングストーリー。
【あらすじ】
東京オリンピック会場で観戦したボルダリングに心を奪われた橘翔太。
中学では競技にのめり込み、全国大会決勝まで駆け上がるが、ケガで無念の敗退。その年、翔太を破ったライバルはU18オリンピック代表に選ばれ、銀メダルを獲得する。強烈な劣等感は翔太を変えていった。
反抗的になり、ぶつけようもない感情から逃げる。次第に家庭との溝は深まり、ついには厳格な父と決裂。翔太は勘当同然で家を出ることになった。
高校進学を機に都内へ移り、登山家でありボルダリングジムを営む叔父の家に身を寄せる。
そんなある日。
クラスの自己紹介を聞き流していた翔太の耳に、「ボルダリング部を作りたい」という声が飛び込んでくる。
言ったのは隣の席の少女、桧山茉優。
その無邪気な横顔が印象的だった。