あらすじ
この世界には七つの迷宮がある。
そこには毎日、多くの冒険者が吸い込まれ、一部の成功者は力・富・名声を手に入れる。
だが――
罠に倒れる者、己の能力を過信する者、悪意に呑まれる者。
迷宮にあるのは、等しく「可能性」と「死」。
帰らぬ者は、ただ一言「迷宮に呑まれた」と呼ばれる。
それもまた、日常だった。
誰かは歓喜し、誰かは絶望し、そして後悔する。
迷宮で採れる蜜に人類は酔っている。
迷宮で何が起ころうと自己責任。
それでも人が行くのは、
希望に酔っているのか。
力に溺れているのか。
七つの迷宮のうち、一つとして攻略された迷宮はない。
最下層に辿り着いた人間は未だにいない。
これは、英雄に憧れた一人の少年が、
迷宮の深淵を覗き、
そのすべてを踏破しようとする物語。
「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」
少年が呑まれるのが先か。
それとも――。