あらすじ
八次元空間の教室で、教師は生徒たちに三次元世界の生成実験を課す。
生徒たちの机に現れた黒い球体は、それぞれの「三次元領域」を映し出す装置。
球体に“時”を流し込むことで、次元粒子が生まれ、素粒子が生まれ、原子が生まれ、星々が誕生していく。
生徒たちは自らの星を観察し、時に改造し、時に巻き戻しながら、三次元世界の進化を追う。
ある生徒の星では生命が芽吹き、海から陸へと進化し、やがて文明を築くまでに至る。
しかし、繁栄の先には破滅が待ち受けていた。隕石、環境変動、戦争、そして恒星の爆発――三次元世界は幾度も滅びを迎える。
生徒たちはそのすべてを観察し、学び、驚き、時に落胆しながらも、三次元という不安定で美しい世界の本質に触れていく。
授業の終わり、彼らは球体を閉じ、創り出した世界を無へと還す。
残されたのは、彼らの胸に刻まれた「観測の記憶」だけだった。