あらすじ
五十五歳、万年主任、独身。
社内で嫌われ、左遷先として送り込まれたのは──
山奥にある“赤島倉庫”。
廃旅館を無理やり改造したような不気味な建物で、
引きこもり室長、妙に素早いオタク、無口な料理上手の女性と、クセの強い三人が働いていた。
仕事は一日一部屋の掃除だけ。
「楽すぎんか?」と思った矢先、倉庫の奥にある“歴代倉庫”と呼ばれる部屋が、妙に冷たく、重く、近づくだけで嫌な気配を放っていた。
ある日、和田の胸ポケットから落ちた“渡せなかった婚約指輪”が、その部屋へ吸い込まれるように転がり──
扉が、開いた。
闇の回廊を抜けた先は、
ドラゴンが飛び、魔法が息づく異世界。
そこで出会ったのは、大賢者を名乗る老婆と、
なぜか若返った“自分自身”。
指輪は何なのか?
なぜ自分が呼ばれたのか?
そして、倉庫と異世界をつなぐ“回廊”の正体とは──。
左遷おっさん、異世界で第二の人生を始める。