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昔、KOEIのゲームに(今もありますが)『大航海時代』 という名作がありました。 世界の海を舞台に、風と波、交易と冒険、そして少しのロマン。 子どもの頃に夢中でプレイしたその記憶を、ふと思い出し、 「そういえば、あのドレイクって結構ぶっ飛んだキャラだったな」 と思ったのが、今回の執筆のきっかけです。 本作は、フランシス・ドレイクが 女王エリザベス1世から騎士爵を授かる史実の場面を、 少しだけコメディの風で描いてみた短編です。 「気づいたら世界一周してた」というタイトル通り、 彼の偉業を“成し遂げた英雄”というより、 ノリと勢いで世界を回っちゃった男として見たらどうなるか そんな遊び心から生まれました。 海の風を受けて、舵を握りながらドヤる。 嵐に巻き込まれたらテンパって叫ぶ。 そんな“人間くさいドレイク”に、 昔の航海ゲームの思い出を少し重ねながら書きました。 風と波と笑いが交差する、 俺様キャプテンの小さな冒険をお楽しみいただけたなら幸いです。
ブラック企業で身を粉にして働いていた34歳の主人公・健人(けんと)は、ある夜、居眠り運転のトラックに巻き込まれ、あっけなく命を落とす。 次に目を覚ました時、彼は自らの無惨な遺体を見下ろす「幽霊」となっていた。悲観するどころか、健人が最初に感じたのは「もう明日、会社に行かなくていいんだ」という圧倒的な解放感だった。 幽霊となった彼には、空腹も疲労も、寒暖差も病気も無縁。パスポートもビザも航空券もいらず、引力に逆らって空を飛ぶことができる。 「だったら、生前時間がなくて行けなかった地球のあちこちを、タダで見て回ろう」 誰にも見られず、誰にも干渉されない究極の自由を手に入れた健人は、重力と社会のしがらみから解き放たれ、気の向くままに地球全土をめぐる終わりのない旅へと出発する。マチュピチュの頂で朝焼けに溶け込み、深海でクジラと共に泳ぎ、サハラ砂漠の上空を風に乗って漂う。これは、死んでから本当の「生」を謳歌し始めた一人の青年の、のんびり気ままな旅行記である。