あらすじ
気候変動と災害の果てに、人々の生活が乖離し始めた未来。
高いビル群、テクノロジー……故郷を捨て、都内へその身を寄せ合って生きていた。
そんな中。
アメリカ西岸の片隅に、まるで2000年代の残り香を閉じ込めたような町がある。
その町に流れ着いたアッシュは、性別も本名も曖昧なまま、黄ばんだPCを片手に弟の死の真相を探していた。
やがて彼女が辿り着くのは、“ガラクタの街”にある中古ショップMERCYBOX。そこで出会ったのは、胡散臭く皮肉屋食えない男・トムだった。
この街には、何かを抱えた住民が多い。
ガラクタの街だ。トムはそう笑う。..誰も手に取らず、見もしないからこそ、救われるガラクタさ。と。
名も過去も詮索しない二人の交流は、あっさりしていて、少し不穏で、温かい。
そして、重く、甘く、互いを蝕む。
終わりかけた世界の片隅で、捨てられたものたちと生きる、歪な救いの物語。