あらすじ
戦争で親を、居場所を、何もかもを失った一人の少年がいた。寄る辺を失った彼が生き残ることなどできない。どれだけ図太く生きようとも戦争孤児は死を迎えるのが必定である。そんな戦乱の世だった。
しかし死を迎えるはずだった少年は拾われた。彼を助けたのは戦争孤児を主体とした部隊である。そこで彼は仲間を、友を、生きる場所を、生きる意味を与えられた。
本来ならば決して得ることができなかったもの。それは少年にも自覚でき、だからこそ彼は今度こそ皆を守りたいと強く願い、想った。二度と失いたくないとも感じたから。その先で自分と同じ境遇の子達を無くすためにも戦乱を終わらせたいという夢もできた。
——しかしその夢は再び奪われた。
仲間も、友も、生きる場所も、生きる意味も、与えられた全てを今後こそ一つ残らず。だというのにまた自分は生き残ってしまった。
少年は絶望した。血を吐くような慟哭が辺りに響き渡る。しかし降り注ぐ雨は無常にもその叫びを覆い隠すように降り注いでいた。果てに少年は誓う。何を犠牲にしてでも全てを奪った者達に復讐すると。
「俺の全てを奪った奴らを全員地獄に叩き落としてやる……皆殺しだ」
顔をあげた彼の瞳は白銀に変わり、その奥に消えることのない憎悪の炎を宿す。
そして終焉が動き出した。