あらすじ
世界が水に沈み、雨が止まない。
暗い船内で身を寄せ合って生き延びる黒髪の少女ノエルと、金髪の少女ナターシャは、雨が終わるとされる「四十日目」を待っていた。
眠りを削る雨音の夜、ナターシャが見つけた小さな木箱――オルゴールが、二人の間にひと筋の旋律を灯す。
失われた街、沈んだ日々、数えるほどに重くなる時間。それでも、彼女の体温と音楽だけは嘘をつかない。
世界の終わりで交わされるのは、大げさな誓いではなく、ただ「しばらく」の優しさ。
雨の向こうに空があると信じて、二人だけの雨宿りは静かに続いていく。