あらすじ
戦乱の世に生まれながら、ただ穏やかに暮らすことを願った一人の男がいた。
名は京極高次。名門の血を引きながらも、名誉にも野心にも背を向け、
静かな山里の暮らしを夢見る、どこまでも慎ましい武将である。
しかし、彼の歩む道はいつも思いもよらぬ方向へと転がっていく。
助けたつもりの人に救われ、避けたつもりの戦に巻き込まれ、
望まぬはずの出世が、なぜか次々と舞い込んでくる。
誠実さゆえか、強運ゆえか。
戦国の荒波は、彼を放してくれない。
これは、
「静かに生きたい男」が、なぜか“運”に好かれてしまった物語。
戦の世を、誠実と優しさで歩き抜いた一人の武将の、
静かで、どこか可笑しく、そして温かい戦国記である。