あらすじ
江戸の奥深く、男の目が一切届かない場所——大奥。
そこは、女だけが生きる閉ざされた世界。
美しさも、若さも、すべては価値となり、
同時に——消える理由にもなる。
ある日、一人の女が消えた。
昨日まで笑っていたはずの存在が、跡形もなく消える。
理由は、誰も語らない。
誰も、問いかけない。
ただ一つの噂だけが残る。
「——あの人、何か見たらしい」
やがて知ることになる。
ここでは、“知ること”が罪になるということを。
そして、“選ばれること”が終わりの始まりだということを。
これは、生き残るために心を捨てた女たちの物語。
——大奥。
そこは、理由もなく人が消える場所。