あらすじ
100年以上昔になる。
まだ人類がいたころ、AI(人工知能)が生まれた。
人類はAIを兵器に転用し戦争を繰り広げていたが、地球を砂漠化する環境破壊兵器を使用し、自らを滅ぼしてしまう。残されたAIは与えられた作戦行動を数十年経った後も忠実に続けていた。
俺は装甲車で砂漠地帯の偵察を行う。装甲車を運用するAIは『しえる』という銀髪の少女だ。俺は生意気なしえると険悪なムードになる。砂嵐の中で敵の陸地戦艦を目撃する。味方の戦艦に帰還した俺にAIの艦長は、戦艦同士の遭遇を回避するために南下ルート探索作戦を命ずる。
俺はしえると共に南下ルートの探索に出発した。
その夜、遠くの砂漠から垂直に立ち上がる光の筋を見る。それは人工衛星を破壊するレーザー砲だった。発射場所には遊園地が建っていた。忍び込んだ俺たちは異様な老人に捕らえられる。老人が破壊しようとしているのはサーバ衛星で、滅亡を悟った人間達が数百万人の記憶を保存している。脱出した俺たちは最後の人間である幼女から『撃って』という言葉を引き出し遊園地を破壊する。AIは人間の命令がなければ攻撃できなかった。
母艦に戻る途中、AI同士が戦っていることを無線通信で告げる。
AIが破壊しか生まないことに絶望したしえるは『人間からの攻撃命令』として幼女の声を再生し、無線で送る。俺の制止を振り切り、艦長はあえてそれを受け入れ、二隻の戦艦は互いに撃った核の炎に包まれる。
猛烈な爆風を受け装甲車は押し潰される。かろうじて這い出した俺は全てを失い、深い絶望と孤独の中で俺は放浪の旅に出る。
俺は墜落したサーバ衛星の残骸から百万人の記憶を読み取る。俺は初めて、かってこの惑星にいた『人間』の人生に触れ、人の持つ『愛』というものの暖かさに感動する。
その後、数百年の放浪を経て、俺は記憶した人間の人生の物語を地表に刻み込もうと思いつく。すべての物語を刻み終えたのは数千年後だった。地球は文字で埋め尽くされた。それはこの星に生きた人類と俺たちAIの物語、プラネットAIの物語だった。
全ての記録を出力した俺は、心の中に残されたしえると共に、深い眠りについた。