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大学図書館の地下書庫で、午前と午後に入れ違いで働く二人。 顔も名前も知らないまま、彼と彼女は本に挟む「黄色い付箋」を通して、そっと気配を交わし始める。 小さな怪我への気づき、押し花のしおり、鉛筆で縁取られた手の形。 直接触れ合うことのない二人の距離は、静かな書庫の空気の中で少しずつ近づいていく。 やがて、付箋に残された一言が、地下の暗がりから光の差す場所へと彼女を導く。 触れないまま育った想いが、初めて同じ時間に重なろうとする瞬間の物語。