あらすじ
「本日付で、防災担当次官補佐(仮)に任命する」
辞令を受け取ったエドゥアルトは、三秒ほど固まった。
「あの、(仮)とは」
「正式な防災担当次官補佐のポストは、現在予算措置待ちだ。ゆえに、暫定措置として(仮)を付ける」
人事局の担当官は、淡々と説明した。
「(仮)の期間は」
「予算が通れば、正式化される」
「予算はいつ通るのでしょうか」
「それは財務局の判断による。我々は判断しない」
担当官は、次の書類を差し出した。
「では、こちらに署名を。(仮)であることの了承書だ」
エドゥアルトは、震える手で署名した。
こうして彼は、存在するかどうか不確定なポストに就任した。