あらすじ
鬼が支配する時代。
人はまだ――生き延びることすら許されていなかった。
山で瀕死に陥った一匹の犬・哲西を救ったのは、鬼を狩る少年・桃太郎。
「鬼の時代を終わらせる」
そう言い放ち、圧倒的な力で鬼を斬り伏せる存在だった。
桃太郎が持つ“吉備団子”によって、哲西は人の姿と力を得る。
さらに旅の中で、空を操る雉の青年・矢掛、言霊を操る巫女・奈義、猿の王・神庭――仲間は増えていく。
だが彼らはやがて知る。
自分たちは――“神の魂を宿す者”である可能性を。
その力は、鬼を滅ぼす希望か。
それとも、すべてを壊す災厄か。
実際、桃太郎の内には“何か”がいる。
それは守るための力ではない。
――すべてを焼き尽くそうとする、荒ぶる神の暴威だった。
さらに世界には、死してなお蘇る鬼――“黄泉継鬼”が現れ始める。
戦いは、もはや鬼退治では終わらない。
「守るために戦う」
仲間を得て、力を得て、それでもなお揺らぎながら――
桃太郎は選び続ける。
神になるか。鬼になるか。
それとも、そのすべてをねじ伏せるか。
神すら制し、鬼の時代を終わらせろ。
――これは、“理で神を超える”少年の戦記である。