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川辺まつりの夜、陸橋が崩落した。灯籠の列と車列が折り重なり、街から一度に命が消える。 「三日前に戻れたなら」——その後悔を見透かすように、悪魔は“商品”を差し出す。 契約すれば、戻れるのは「戻りたい日時」から換算して三日前。与えられる猶予は七十二時間。対価は余命の半分。そして時間切れの瞬間、契約の記憶は砂のように崩れ落ちる。さらに条件がある——自分以外の寿命は変わらない。 土木職員、救急医、新聞記者、地場の有力企業の社員、警察、……。取り返しのつかない「七十二時間」の裏側で、人々は後悔に押しつぶされながら、禁断の契約書にサインしていく。 ——命を削ってでも、結末を書き換えられるのか。 ※本作はカクヨムでも同時掲載しています。
人の呪いを喰わなければ死ぬ黒瀬阿弥は、他人に取り憑いた呪いを解くことで、どうにか命をつないでいた。 ある日、彼のもとに届いたのは「次期社長の継承を止めてほしい」という裏依頼だった。 標的は、創業家の後継者・立花恒一郎。 迷信を信じない合理主義者だが、妊娠中の妻と、まだ完成していないベビーベッドという“失いたくない未来”を持っていた。 黒瀬には、その依頼を断りきれない理由がある。 彼は昔、呪いを解く側ではなく、人を呪う側にいた。 生きるため、禁じたはずの仕事へ戻る黒瀬。 設計士の旧友と、亡き母の力を継いだ少女とともに、男の未来に楔を打つ。 これは、誰かの呪いを喰わなければ生きられない男が、 それでも人間のままで死ねるかを問う、現代ダークホラー。