あらすじ
アナログ人間である結城颯太は、高校入学式の日、隣の席の美少女・氷室凜のノートを拾い「字、綺麗だね」と褒める。その一言で、凜の人生は変わる。
だが、それだけではない。
やがて転校してくるのは、国民的アイドル・久世蓮。実は颯太の幼馴染で、10年間文通を続けてきた相手。蓮が颯太に抱きつく瞬間、凜が颯太を押し倒す瞬間、三角関係は確定する。
10年待ち続けた幼馴染。毎日隣で積み重ねる日常。
二人の少女は、同じ少年を愛している。
だが、颯太は気づいていない。自分の気持ちはおろか、他者の気持ちすら理解できていない。優しすぎる少年は、二人を失いたくないという甘い願いに縋っている。
「自分の気持ちと向き合いなさい」——父親の言葉が、颯太の心に重くのしかかる。
この物語は、時間の重みを問う。
10年の過去と3ヶ月の現在。どちらが本当に重いのか。
朝ドラの撮影で得た強さと、両親からの解放で手に入れた自由。
二人の少女は、それぞれの方法で颯太に向き合う。
蓮は「待つことによる愛」を示し、凜は「奪うことによる愛」を示す。
やがて隆之介と雫の関係が破綻し、颯太が初めて「怒り」を経験し、新しいヒロインが戦場に降り立つ。
複数の愛に包まれた少年が、最終的に辿り着く選択とは何か。
失われるものは何か。
失われないものは何か。
150話以上の物語の中で、この問いの答えが、徐々に明かされていく——
この物語は、恋愛小説ではない。
時間とは何か。愛とは何か。選択とは何か。
人間の根本的な問いに向き合う、青春群像劇である。