あらすじ
「異世界転生」という甘い夢を、35mmの弾丸が撃ち抜く。
出版社勤務、28歳。
事故で命を落としたカゾヤマノリトが目覚めたのは、華やかな魔法も、都合の良い女神もいない、徹底して「泥臭い」中世の世界だった。
彼に与えられた唯一の加護は、異世界の理を粉砕する現代兵器――「35mm対空機関砲」。
しかし、そこには圧倒的な火力で敵を蹂躙し、絶望的な戦力差を覆す無双ファンタジー物語などなく、冬の訪れを控えた荒涼とした世界で生々しいサバイバルを強いられる放浪生活だった。
僅かな手がかりから得られるものは一様に「世界の違和感」だけ。
なぜ、この世界の人々は死を「塔への帰還」と呼ぶのか?
なぜ、この世界の「神」は、どこか事務的で、冷徹なのか?
そして、彼が手にした破壊兵器は、一体「どこ」からやってきたのか?
陰謀と血と硝煙にまみれた旅の終着点。
カゾヤマは、神の座に居座る「ある存在」に対し、一人の人間として最後の問いを投げかける。
「あんたの言う救済は、俺たちにとってのお節介なんだよ」
救済か、管理か。
偽物の平穏か、本物の地獄か。
冷たい現実の先に待つ異世界の定義は、想像を絶する結末により塗り替えられる――。